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カッとなって僕は、彼女を突き飛ばしてしまいました。そんなつもりはなかったんです。ただ打ち所が悪かったんです。彼女は動きませんでした。目を見開いたままちっとも。あああ。そんなつもりはなかったんです。僕は悲しかったんです。ただ悲しかっただけなんです。
僕は彼女をバスタブに入れました。その二日後に僕の誕生日だったんです。せめて一緒に居たかったんです。せめてあと一回だけでも。
僕はバスタブに水をたっぷり入れました。最初は彼女の頭の血を流すためだったんですが、水に沈めてしまった彼女が、なんだか綺麗で。ええ、氷を入れておけば良かった。まさかあんなに温度が上がってしまうなんて。ええ、それから見ていません。たった二日であんなに変わってしまったんです。物事というのはたったの一週間で変わってしまうものなんですね。水の中の彼女は今どんな姿をしていますか?
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