第1章

2/2
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
B「大賀?よく会うよな、最近。」 大賀は読みかけの文庫本を煙避けに顔へ近づける。 A「先輩、煙いです。」 B「忘れてた、外行くわ。」 A「これ使って下さい。」 B「なんで携帯灰皿持ってるの?ミドリ亀、これ?」 A「カエルです…。先輩と時々駅の外でばったり会った時に吸い殻を空き缶に入れてゴミ箱に捨ててるから。それでその…。と、とにかく待合室は禁煙なんで使って下さい。」 B「あ、ありがとう。まさか大賀はまだ煙草とか吸ってないよな?」 A「当然です。先輩だって、律儀に誕生日の今月から吸ってますよね。」 B「い、いゃあ、それはモラル。大人だし。最近営業のストレスがキツくて吸い始めただけ…。」 A「空き缶を灰皿にしたらリサイクル出来ません。誕生日プレゼントじゃなくて、えっと、…環境のためです。」 B「環境のために煙草やめる。この亀も大切にするから。」 A「カエルです。」 俺は大賀と微笑みあった。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!