第1章

2/2
前へ
/2ページ
次へ
「怖いなー、怖いなーと思っていたらね、何か背後から視線を感じるんですよ。」 「何かなー、何かなー。嫌だなぁ。」 「後ろを振り返る。」 「…。何も居ない。」 テレビから流れる怖い話し。 怖いのは苦手なのに、ついつい見てしまう。 画面の暗さや話し手の不気味な声色も相まって怖さ激増。 あーもう。 こんなの見なきゃ良かったっていつも後悔してしまう。 怖い番組を見た後は、何故か小さい物音とか、カーテンの隙間とかが気になる。 今もほら。 お風呂でシャンプーをした後に、洗い流そうと目を閉じた途端、なんだか視線を感じる。 やだなー、やだなー。 何かが後ろにいる気がするよ。 早く流して目を開けなきゃ。 いや、でも怖いから見たくない。 そんな風に心の中で葛藤する。 ぞくぞくとする感覚。 絶対に誰かが後ろに居る。 ドキドキと高鳴る心音。 手が震える。 よし、後ろを確かめる!! 意を決して、顔の水滴を手で払いのけ、後ろを振り向く。 そこに居たのは…。 お前か?! 飼い猫のポチ「にゃーん?」 終わり
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加