恋人

2/8

101人が本棚に入れています
本棚に追加
/54ページ
それから俺たちは、二人で帰った。 「付き合うんだから、真咲も名前で呼んでよ」 「…っ!やだ、恥ずかし…」 「ええ!?呼んでくれないんだ、悲しいなあ」 「……たか、ふみ…」 「もう一回、」 「、貴史。」 「じゃあこれからはその呼び方だよ?」 「……分かった」 「はい、」 手を差し出される。 「なに?」 「手つなごうよ、」 「!?」 ぎゅっと手を握られた。 「たかふみ!見られる、」 「大丈夫だよ、誰も見てない。手繋ぐの、やだ?」 「……や、じゃ…ない」 満足したように笑うと、佐伯……、貴史が俺の指の間に自分のそれを絡めてきた。 いわゆる、恋人つなぎってやつ… 何だか雰囲気が甘くて、恥ずかしい。 付き合うだけで、こんなに変わるんだ。
/54ページ

最初のコメントを投稿しよう!

101人が本棚に入れています
本棚に追加