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それから俺たちは、二人で帰った。
「付き合うんだから、真咲も名前で呼んでよ」
「…っ!やだ、恥ずかし…」
「ええ!?呼んでくれないんだ、悲しいなあ」
「……たか、ふみ…」
「もう一回、」
「、貴史。」
「じゃあこれからはその呼び方だよ?」
「……分かった」
「はい、」
手を差し出される。
「なに?」
「手つなごうよ、」
「!?」
ぎゅっと手を握られた。
「たかふみ!見られる、」
「大丈夫だよ、誰も見てない。手繋ぐの、やだ?」
「……や、じゃ…ない」
満足したように笑うと、佐伯……、貴史が俺の指の間に自分のそれを絡めてきた。
いわゆる、恋人つなぎってやつ…
何だか雰囲気が甘くて、恥ずかしい。
付き合うだけで、こんなに変わるんだ。
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