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二人で出掛けたことはなかった。
だけど、どこかに行かなくたって、俺たちは満足していた。
今日もいつもと同じように授業を受け、放課後貴史と一緒に帰る約束をしていた。
HRが終わり、人がはけるまで席を立つことなく本を読んでいた。
「真咲、じゃあな」
尚人も帰っていった。
後ろの席をみると、貴史はいなかった。
あれ、いつもだったら寝てるのに。
辺りを見回しても姿は見えない。
どこに行ったんだろうと考えていると、手元のスマホが震えた。
見ると、貴史からのline。
『ごめん、ちょっと呼び出されて。もう少し待ってて』
呼び出し、
女の子からかな…
告白、かな…
少し不安になる。
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