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恋心を自覚して以来、俺は貴史のことを意識しまくって、目も合わせられないでいた。
話し掛けられても、ろくに会話もできない。
恋する乙女に成り果てていた。
それでも一緒に帰るのはやめたくなくて、毎日一緒に帰っていた。
今日もそうだった。
朝には雨が降っていなかったのに、帰るときになって突然降り始めた雨。
どしゃ降りだった。
生憎二人とも傘を持っていなかったから、走って帰る。
もう二人ともびしょびしょで、一度雨宿りした。
貴史の家で。
学校からは貴史の家の方が近いのだ。
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