自覚した気持ち

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「真咲、待たせてごめんね」 暫くして、ドアが開き貴史が入ってきた。 うわあ…髪が濡れて、ほっぺたも赤くなってるし、なんか色気がヤバい。 やっぱりイケメンは風呂上がりもイケメンだなぁ… ダボダボな服着てる俺とは大違いだ。 「真咲」 名前を呼ばれて顔を上げる。 「……キス、してみてもいいかな」 見つめられたままそんな質問をされて、顔が赤くなる。 貴史とキス、したいな… 俺は顔を真っ赤にしながらコクコクと頷いた。 瞬間、嬉しそうに微笑んで俺の頬に手を添える。 貴史の顔が近づいてきて、堪らず目を瞑った。 俺の唇に貴史の熱いそれが触れる。 唇から貴史の熱が伝わってきて、 あぁ、キスしてるんだ…って。 胸が満たされた感じがした。 長い間、俺たちは唇を触れ合わせていた。 名残惜しそうに離れていく貴史と目が合って、 二人で笑った。 キスってこんなに幸せな気持ちになれるものなんだ。 はじめて知った。
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