紺野と佐伯

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もうちょっとで始業時間。 遅刻か?新学期早々。 そんなことを考えていたら、後ろのドアが開いた。 佐伯貴史だ。 「佐伯くん、このクラスだったの?」 「やば、ラッキーじゃん」 「どーしよ、格好いい…」 女子たちが色めき立つ。まあ、確かに… 栗色の柔らかそうな髪の毛。 透明感のある肌。 薄めの形の良い口には笑みを浮かべている。 色素の薄い瞳はなんだか引き込まれそうで… まあ、とにかく整った顔だな。 じっと見つめていた俺に気付いたのか、目を合わせて微笑んでくる。 俺はふいっと目を逸らした。 そいつは俺の後ろの席に着いた。
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