第1章

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B「やぁ、また会ったね」 A「………どうも」 本を読みながらバスを待つ私に、『彼』はいつも、声を掛けてくる。 通っている学校が同じな訳ではないし、乗るバスが同じという訳でもない。 それなのに、会えばいつも、声を掛けてくる。 そんな『彼』を、何故か私は無視出来ない。 B「キミ、いつも本を読んでるね。面白い?」 A「えぇ……まぁ……」 凄くキラキラした笑顔を向けてくる『彼』に、私は曖昧に返事を返すだけ。 そんな自分が、私は嫌い。 B「そっか、今度話聞かせてよ。俺、あんまり本読まないんだ」 A「別に……いいですけど……」 B「ありがと、それじゃあまた」 『彼』の乗るバスが来た。 A「あ……あのっ」 B「ん?」 A「えと……ま……また、ね?」 B「ん、またね!」 笑顔で手を振る『彼』に、 私は控えめに、手を振った。
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