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ねぇ、聞いてくれる?
私の子供時代はね、それはそれは悲惨なものだったの。
ど田舎の貧乏くさい町のなかでも、うちが一番貧しかった。
父親は私が生まれてすぐに蒸発、母親はろくに働きもせず下らない男と付き合っては振られてた。
母親は男に振られる度に私を殴るの。
貧乏が似合う馬鹿な女だった。
私の人生一番の不幸はあの女が母親だったこと。
人生一番の幸運はあの女が事故で死んだこと。
あの女は酔っ払って川で溺れて死んだ。
その後はね、少しツキが回ってきたみたい。
大した男じゃないけど人並みに結婚も出来て、可愛い子供にも恵まれた。
でもね、この前家族でキャンプに行った時にね。
ふと川の水面を覗いたらね、あの女がいたの。
意地の悪そうなつり上がった目元、
疲れてこけた頬、
艶のない長い髪、、、
ぞっとしたわ。
私は人並みの幸せを掴んだ筈なのに、どうしてあんな女に似るのかしら?
二度と顔も見たくなかったのに。
せっかく死んでくれたのに。
せっかく殺したのに!!!
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