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くっ…。
相変わらず嫌な所を突いてくる奴だ。
美月「少し嬉しいかな。何だか距離感が近くなったみたいで。」
エヘヘと笑う彼女を見て、不覚にも胸がキュンとなる。
私の事を呼び捨てで読んでいいかと聞かれたので私は様付けならいいわよと答えてあげた。
これ以上、キュンとなってたまるもんですか。
私は振られたんだから…。
美月「む~、ならちゃん付けでいいよ。」
体育の授業が終わり、着替えを済ませると美月が私に声をかけてきた。
様付けで…。
美月「教科書みせて下さい。後、ノートも貸して欲しいです燐香様。」
こいつ…、こんな時だけ。
仕方ない。
私はノートを…。
待てよ。
美月は一限目も二限目もノートを使ってたじゃない。
教科書の忘れ物はまだ分かるとして、ノートを忘れたのなら別の教科のノートを代用すればいい話し…。
私はノートを綺麗に破り、それをわざと床へと落とす。
燐香「ごめん美月。」
いいよと言い、破ったノートを拾おうと席を立つ美月。
その隙に私は美月の机の中に手を入れ、中から適当な物を取り出した次の瞬間。
美月「だめぇぇ。」
私を突き飛ばす美月。
私は机から取った物を落とし、美月は慌ててそれを拾った。
後ろにあった机に勢いよくダイブした私。
後ろからは悲鳴が聞こえ、美月を罵倒する言葉が聞こえてくる。
不思議と痛くはなかった。
それよりも美月のあの反応…。
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