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ポンと美月を転ばせた子の肩に手を置くと彼女の耳元に顔を近づけ、そっと囁いた。
燐香「遠慮しなくていいのよ。今日、体育の授業があったからお腹空いているでしょ?」
はいと返事をする彼女。
燐香「だったら遠慮なく食べなさい。あなたの給食を。」
床に落ちている彼女の給食を指差して、そう囁くと彼女は震えながら、涙声でありがとうございますとお礼を言ってきた。
燐香「み~つき、あなたには私が給食を半分わけてあげるわ。まだ沢山あるみたいだから遠慮なく食べなさい。」
美月の手を握り、席に戻ろうとするが…。
燐香「なっ…。」
美月は手に力を入れ、その場から動こうとしない。
美月「私も床に落ちた給食を食べるよ。これは私のだから。」
くっ…。
嫌味のつもりだろうか。
仕方ない。
燐香「分かった。分かったわよ。彼女に謝るから、床に落ちた給食を食べようとしないで。」
頷く美月。
私はさっきの事を謝ると、近くに居たクラスの子に二人分の給食を持ってくるように命令した。
全く。
美月には勝てない。
放課後、美月と共に校内の花壇のある道を歩いていた。
美月「うわ~綺麗な花。この中に食人花とかないかな~。」
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