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どうやら、私が美月に突き飛ばされた事を聞いて心配でずっと待ってたらしい。
この子は本当に私に良くしてくれた。
それを私は…。
ふと、美月の言葉を思い出す。
私ね、優しい人がタイプなんだ。
…。
燐香「心配してくれて嬉しいわ。私の方こそ、ごめんなさいね。」
パアッと明るい表情を浮かべる彼女。
どうやら酷い事を言われると思っていたようだ。
「あの、この間の約束は…。」
この間の約束…。
いつもの私なら、気持ち悪いで済ます所だが今は違う。
ちゃんと彼女と縁を切らないと。
燐香「分かったわ。ちゃんと約束は守ってあげる。だけど、お願い。約束を果たしたら、もう私達の関係はお終いにしましょう。」
俯く彼女。
こういった別れの告げ方は初めてかもしれない。
いつもなら一方的に別れを告げ、後は気持ち悪いなどと罵って終わりだ。
この子だって、ここで二度と顔見せないでって言ったよねなどと言っておけば、もう二度と私に近づかなくなるだろう。
「もし、約束を守らなくてもいいので一緒に居て下さいって言ったらどうなりますか?」
もちろん私の答えは決まっている。
燐香「悪いけどそれは無理だわ。私には好きな人がいるの。」
それを聞いた彼女は分かりましたと頷き、約束を守って下さいと私に言った。
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