第1話[出会い]

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何とか逃げ切り、彼女は自動販売機でジュースを購入していた。 「はい、どうぞ。」 冷たいココアを渡され私はお礼を言う。 彼女は右手を前に出して、ジュース位いいよ~と言うと、左手に持っていた缶コーヒーブラックをグビッと飲む。 「やっぱりコーヒーはブラックだよね。」 凄く辛そうにして飲むものなのだろうか? 仕方ない。 私はココアのタブを開け、少し飲むとココアを彼女に手渡した。 燐香「もう飲めないの…。良かったら飲んでくれない?」 うんと頷くと彼女はグビグビとココアを飲み干した。 余程苦かったのだろう。 それにしても…。 燐香(間接キス…。) 妙にドキドキする。 間接キスなんてした事はないけど…。 こんなにドキドキするものだろうか? いや、これが吊り橋効果という奴か? 先ほどまで殺人犯に追われ…。 燐香「あ~、警察。警察に電話しなきゃ。」 携帯電話を取り出す私を止める彼女。 警察に電話しても無駄だと言う。 燐香「何言ってんのよ。殺人事件なのよ。然るべき所に電話して然るべき処置をとって貰わないと。」 警察に電話しても、悪戯だと言われ怒られると話す彼女に私は何でよと怒鳴った。 「相手はね。鬼なんだよ。人間を殺し食らう鬼。」 殺人鬼。
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