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何とか逃げ切り、彼女は自動販売機でジュースを購入していた。
「はい、どうぞ。」
冷たいココアを渡され私はお礼を言う。
彼女は右手を前に出して、ジュース位いいよ~と言うと、左手に持っていた缶コーヒーブラックをグビッと飲む。
「やっぱりコーヒーはブラックだよね。」
凄く辛そうにして飲むものなのだろうか?
仕方ない。
私はココアのタブを開け、少し飲むとココアを彼女に手渡した。
燐香「もう飲めないの…。良かったら飲んでくれない?」
うんと頷くと彼女はグビグビとココアを飲み干した。
余程苦かったのだろう。
それにしても…。
燐香(間接キス…。)
妙にドキドキする。
間接キスなんてした事はないけど…。
こんなにドキドキするものだろうか?
いや、これが吊り橋効果という奴か?
先ほどまで殺人犯に追われ…。
燐香「あ~、警察。警察に電話しなきゃ。」
携帯電話を取り出す私を止める彼女。
警察に電話しても無駄だと言う。
燐香「何言ってんのよ。殺人事件なのよ。然るべき所に電話して然るべき処置をとって貰わないと。」
警察に電話しても、悪戯だと言われ怒られると話す彼女に私は何でよと怒鳴った。
「相手はね。鬼なんだよ。人間を殺し食らう鬼。」
殺人鬼。
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