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意味が分からない。
何故なら私には人にしか見えなかったのだから。
「今頃食事しに戻っている頃だよ。」
信じられないのなら翌朝、先ほどの現場に行ってみるといいよ。
血の痕跡すら残ってないからと話す彼女に私は結構よと言って断った。
「私の右手に眠るフェニックスが目覚めればいいんだけど…。」
そう言って右手を抑える彼女。
私はどうやったら目覚めるのか聞いてみた。
「へっ…。信じてくれるの?」
何だ嘘か。
冗談で中二病なのか聞いてみると…。
「すごい。あなたエスパーなの?」
目を輝かせ顔を近づけてくる彼女。
本当に顔が近い。
いい匂いがする。
ぷるぷるの唇。
心臓がドクンドクンする。
燐香「そ…そそそうよ。私はエスパーよ。」
嘘を吐いてしまった。
自己嫌悪に陥ってしまう。
どうして私はこの子にときめいているのかしら。
やっぱり吊り橋効果か…。
「すごい!ねぇ、名前教えて?」
私は自分が桜燐香(さくらりんか)だと名乗り、彼女の名前を聞いた。
すると…。
「フッ、名乗る程でもないさ。」
…。
バッチーンという音が辺り一面に響き渡る。
手が痛い。
それにしても、何てムカつく奴なのかしら。
燐香「それで、あなたの名前は?」
「うっ…。なのる…ほどでもない…さ…。」
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