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バッチーンと再び辺り一面に響き渡る。
くっ、何が何でも言わない気ね…。
いいわ。
どうせ、もう会う事もないでしょ。
こんな馬鹿相手してないで、さっさと家にでも…。
「どうしたの?」
くっ、また殺人鬼と出会わないとも限らない。
正直、怖い。
だけど…。
それを彼女に知られるのは…。
燐香「もう、名乗らないでいいから…、だから私の家まで付いてきなさい。私の家を自慢してあげるわ。」
ニタリと笑う彼女。
私の顔は耳まで真っ赤になる。
「あっ、わかった。怖いんでしょ?ヒィィィって悲鳴あげてたもんね。」
バッチーンと辺り一面に響き渡る。
「もうやめてぇぇぇ、これ以上ぶたないで。」
あなたが要らない事を言うから…くっ…。
一応、彼女は私の家まで送ってくれた。
それまで、彼女を慰めるのは大変だったけど…。
「じゃあね。燐香ちゃん。また今度。」
大変だったけど、彼女と別れるまで私はずっと笑顔だった…。
燐香「また今度ね…か。」
恐らく、もう彼女と会う事はないでしょう。
田舎と言ってもそこまでじゃない。
この田舎町にも学校はいくつかあり、私が通う学校は私立だ。
部活動をしていない私にとって他校と交流する事もないし、彼女の名前、学校、何部なのかも分からない。
町で偶然会うにも彼女がまたこの時間にうろつくとも限らないし…。
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