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しかし、そんなに金持ちの息子なら優勝賞金なんてわざわざ命懸けてまで欲しいもんではない気がするが…
仁はさらに話を続けた。
「愛人の息子なんだ……俺。
ずっと母さんと2人で暮らしてきて父親からは最低限のお金をもらってるだけなんだ。
お金持ちの息子ってことに嘘はないけど実際はお金持ちじゃないってことさ!
優勝賞金が手に入ったら母さんを俺が養えるからな。
それが俺の大会参加目的なんだ」
そんな非現実的的な話を淡々と喋る仁に俺は驚いた。
「そういうことか。
じゃあ真文にしろ仁にしろ絶対優勝して賞金とらないとな!」
「ああ」
「うん!」
二人が同時に頷いた。
「和也もゲーム開始前日には墓参り行ってこいよ」
「わかった!サンキュ!!」
俺の父親、母親は高校卒業式の日に交通事故にあい他界してしまった。
そこから俺の人生は大きく狂うことになる。
大学には入学が決まっていたが行かないで辞退した。
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