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仁は俺以上に血まみれになっていた。
「やられたのか!?」
「いや全部返り血で傷は一つも負ってない」
仁の顔と服は本当に真っ赤と言って良いほど血だらけである。
「さあ。和也。そいつの胸からバッチを取って真文たちのとこに帰ろう」
俺は汚いものを触るように指先でバッチを取った。
車に帰ると真文とおじさんはただ呆気にとられたかのように俺達を見た。
真文は血だらけの俺たちを見て気をつかう。
「大丈夫?2人とも怪我はない!?」
「ああ。大丈夫だ。」
俺は笑顔で答えた。
「とうとう人殺しちゃったね…」
「仕方ないだろ。」
仁は少しムッとして言った。
「そうだよね。でも…………………。やっぱり私にはできないかも………………。あんな風にきっと戦えない。」
「大丈夫さ!真文は俺たちが守るから!」
俺は自信を持って言ったが俺だって人を殺した気持ちは良い気分ではなく最悪であった。
「しかし君たちは本当にすごいな。」
黙っていたおじさんが口を開いた。
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