389人が本棚に入れています
本棚に追加
非常階段を登り終わり屋上の扉にたどり着くと鍵は壊れドアが開きっぱなしになっていた。
俺は急いで扉を抜け屋上に出て貯水タンクの影に隠れた。
「な、なんだこれ!」
パラララララ
サブマシンガンの音が鳴り響いている。
俺は慌てて貯水タンクの影に戻り今見たことを整理した。
まず軍用型ヘリが飛んでいた。
ありえないことにそのヘリと戦っているように見えた一人の男。
一瞬の出来事であったために頭の中は整理ができずもう一度覗き見るように俺は見た。
ドガガガガ
ヘリから発射される銃声。
パラララララ
それに応戦するかのようなサブマシンガン。
ヘリの操縦席には女の人の顔が見えた。
おじさんが言っていた、20後半の女の人だろうか?
男はヘリから発射される弾をことごとくうまくかわしていた。
上は黒のTシャツを着て下は黒のズボン。
一瞬見えた表情からは感情がないという言葉が一番当てはまる。
無表情で顔色一つ変えずに人間より巨大なヘリと戦う男。
最初のコメントを投稿しよう!