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以前、籠島回路に依頼をした中学生の少女だ。
「お願いします! 私、何でもしますから!」
「だから、その台詞が既にアウトなんだよ」
現役の女子中学生から、そんなことを言われたなど、世間に知られては、『ロリコン』や『性犯罪者』の謗りは免れない。
例え、噂話でも一度ネットに流されれば、捏造、誤解は当然のように起こってしまうのが、現代のネット社会の業である。
「そもそも、君の両親は何て言ってるの? 駄目だよ、こんな怪しい男に近付いちゃあ」
それを言ったら、前回彼女の依頼を受けた時点で、籠島も同罪なのだが、都合良く余計なことは考えない。
「それは大丈夫です。むしろ、兄の命を救ってくれて、直接お礼を言いたいと言う程、先生のことを気に入っています」
ぐっ……、と言葉を詰まらせる籠島。そもそも前回の手柄は半ば強引に、怪盗であり、宿敵でもある二階堂三階から押し付けられたもので、彼女の力無くしては解決出来なかったと言うのが真実なのだが。
『無条件で助力してあげた私に感謝しなさい』
と、ニタニタしながら、皮肉を言う二階堂の姿が目に浮かぶ。このことを思い出すと、無性に腹が立つ。
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