ただのメッセージ

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 尤も、それは籠島も同じなのだがーー  「では、先生。これからどうしましょう? 依頼人の呼び込みですか? それとも、チラシを作って、街頭に撒くと言うのも……」  算段を付けている間に、隣で緑ヶ丘がとんでもないことをしようとしていた。  呼び込み? チラシ? ここは居酒屋ではないのだがーー  「あぁ、分かりました。大々的に先生のお顔をチラシに載せましょうーーすぐに家からカメラを」  「待ちなさい、椚ちゃん」  勢いでちゃん付けした呼び方をしてしまった。  とは言え、彼女がとんでもなく天然染みた真似をしようとしていることは見逃せなかった。  「……君、もしかしてーー宣伝しようとしてる?」  「はい?」  首を傾げながら、答える緑ヶ丘。一見、籠島が何を言っているのか理解出来ずに、『はい?』と訊き返している構図にも見えるが、彼女は恐らく、『そうですけど、何か問題でも?』と言う意味合いで首を傾げている。  いや、何か問題でもーーじゃないだろう。  「……椚ちゃん。内が何しているか……分かるよね?」  小さい子供に話しかける時にしか使わないような声色で訊ねる。
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