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少女は制帽を脱ぐ僕を見る。
「何?」
「なによんでるの?」
「何って……本でしょ」
「なにみてるの?」
「えっ……それは貴方だけど。
さっきからずっと私の前にいるし。
じゃあ、次は私から質問。
貴方何したいの?」
「なにしたい?
なおしたい」
「は?」
「嘘つきな貴女をなおしたい」
「……何言いたいの?」
「貴女は魔術書で「呼んだ」ものを「見てる」だけ……
そしてぼくはソレとたたかう」
「ソレは私の世界を創る為にいるの。
そして…貴方を消せば、私の世界は完成。
嵐(シュトゥルム)!」
少女が呪文を唱えると、本から黒い渦が飛び出し、僕に襲いかかる。
僕はひらりと交わし、懐から出した煙草に火をつけ、煙をフーッと吹きかける。
「何これ?嫌!消えたくない…」
「これでよし!禁煙ポスターは大人しく!」
木漏れ日の下、貼り直された少女は今日も僕を見つめる―
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