第1章

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 止めろと僕は言いたかった。  けれどそこで僕は目の前のクロヴィスに顎を掴まれて、そのまま唇を重ねられる。  一体何が起こっているんだと硬直していた僕は、唇を放された所でようやく、男にキスされたという人生初の経験を理解した。しかも、 「ファ、ファーストキスが……」 「そうなのか? 良い物を貰ったな」 「あげてないし! そもそも、そっちが勝手にキスしたんじゃないか!」 「助けてやった駄賃だ。そういえば活いきのいい子猫ちゃんは何て名前なんだ?」 「子猫ちゃんっていうな! 僕は、酒井陽斗(さかいはると)という名前があるんです!」
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