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止めろと僕は言いたかった。
けれどそこで僕は目の前のクロヴィスに顎を掴まれて、そのまま唇を重ねられる。
一体何が起こっているんだと硬直していた僕は、唇を放された所でようやく、男にキスされたという人生初の経験を理解した。しかも、
「ファ、ファーストキスが……」
「そうなのか? 良い物を貰ったな」
「あげてないし! そもそも、そっちが勝手にキスしたんじゃないか!」
「助けてやった駄賃だ。そういえば活いきのいい子猫ちゃんは何て名前なんだ?」
「子猫ちゃんっていうな! 僕は、酒井陽斗(さかいはると)という名前があるんです!」
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