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隣家に住む───といっても一区画が大きいのでかなり離れてはいるが───芹澤浩介と三人で高遠家の広い敷地を探検するのが幼い三人の楽しみだった
木に登り虫を捕まえて、走り回って疲れたら大地に寝そべって風を感じながら昼寝をする
そんな贅沢な少年時代に、ある日突然珍入者が現れた
隣家の奥様の瑠璃子さまに赤ちゃん───浩介の妹が産まれたのだ
惣一郎さまも私もひとりっこで、兄妹ができた浩介が羨ましかった
私たちはこぞってこの珍入者を歓迎し、三人の『兄』に可愛がられた久美子さまは活発な少女に成長された
高遠家の池で、品評会で賞を取った錦鯉を釣ってしまうようなお転婆ぶりを心配した母瑠璃子さまは
彼女にレースとフリルとリボンで飾られた部屋を与え、良家の子女ばかりが通う学校に入学させたものの効を奏したとは言い難かった
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