第9章‐ジツリョクのサクソウ‐~動き出すタラントル編~

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「それと、貴女。」 「あっ…はい。」 前世での記憶から、急に呼ばれるとどうも怒られそうな気分である。 「貴女…、 魔法使えるでしょ?」 今まで以上に焦ったとは言うまでもない。 感知魔術を感知されてしまったのかと確認してしまった。 「誰に渡されてるのかはわかんないけど、 …さっき触った時に気がつい… 魔法瓶の波動を感じたのよ。 それを持ってるってことは、知り合いに大魔法師でもいるのかしら? 結構魔力入ってるみたいだけど。」 私は少しほっとした。 感知魔術を感じ取ったと思ってしまったが、どうやら魔法瓶を感じ取っていただけのようだった。 …って触ったときとか聞こえた気がする。 「あ…良ければ、城の魔法瓶あげよっかー?」 …これは一種のチャンスだった。 実質無料で魔法瓶を持てるチャンスだ。 とりあえず、話を合わせておこう。 「いいんですかー?」 「いいよいいよーっどんどん持ってって~♪ 可愛いから許すっ!」 あー…とりあえず、魔法瓶を手に入れたってことで 解決したのだった。 …って、可愛いって何っ?
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