第9章‐ジツリョクのサクソウ‐~動き出すタラントル編~

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クロは僕の疑問に、ほぼ即答で答えてくれた。 「これは、ソウラーパニルというものなの。 これに太陽光を当てると、不思議と魔力が生成できるのよ!」 …完全にソーラーパネルと言うものだと確信した。 まさかこの世界で太陽電池と出会えるとは思いもしなかった。 まあ、もしもの時は作って明かりにしようかと思ってたけれど。 人前で魔術を使って明るくするのは流石にばれそうだったからだ。 ただ、前世の使い方とは遜色ないと見えて、効果そのものは変換されているようだ。 感知魔術でそのものを観察すると、表面上に薄い魔力を感じた。 どうやら僕の所持している魔法瓶と同じような無限機構みたいだった。 一つだけ気になったことがあった。 その時の感覚としては、懐かしいといったところか? なんとなくだが、その魔力には見覚えがあるように感じた。 ただ、思い出せない。 いやほんとにもどかしい。 「…どうかしたんですか? アリスさん!」 …「あっ大丈夫!」 考え事で周りが見えなくなっていたようだ。 そろそろこの癖も直さないと警戒されそうだなと感じながら、僕はクロの後を追いかけていた。
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