1192人が本棚に入れています
本棚に追加
/265ページ
「んー…この馬が良いわね。」
「おっ…見る目があるんだ。お嬢さん。
こいつは上物…よくわかったねぇ」
「前足の形が揃ってるし、この種類は一番体力がある。」
「ほぅほぅ…良い目だね。」
……
なんだか向こうで二人が話し込んでいた。
僕には猛者の記憶があるけど、
馬のよし悪しなんて気にしてる記憶なんてなかった。
みんな魔法で、文字通り″乗りこなしていた″。
魔法を足の裏にくっつけて高速ダッシュ~…だとか、
魔力を大きな翼として顕現させ、飛んでた人もいた気がする。
けれど、僕はまだ使わない。
だって空飛べるんだよー?
さすがにチート過ぎて、せめてもの普通に移動しようと決めたのだ。
まあ…今更感がしてくるのは気のせいということにしようと思う。
「ありがとねー」
「毎度あり~」
お…交渉が終わったみたいだ。
連れてきた馬は…あれ?
どこかーで見た気がする。
「さーて、後はこの子を扱える人を探すだけね~…
イルー?近くにいいところは無いかしら?」
「えー…近くですと…」
あ、そうだ。思い出した。
「あのー…良ければ僕がやりましょうか?」
そういえば、歴代の知識ではない、この体本来の知識でこの種と同じ馬(というか牛に近い)の扱い方を教わった記憶がある。
せめてこれくらい出来ないとね…。
誤魔化せないし。
さて、…期待の目が一斉にこっちに向いたのは言うまでもない。
手伝えることは手伝う。
そう決めた瞬間だった。
そっちの方が誤魔化しがききやすいかなと思ったのは秘密だ。
最初のコメントを投稿しよう!