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…それは、唐突だった。
「あうっ…」
首筋に痛みが走った。
そして、僕はそのまま倒れた…フリをした。
あーつらい。
「えっ…アリス!?
…!」
クロはそう呟くと、冷静に周りを見渡す
他の人は何が起きたかわかってないようだった。
…まあ敵存在は感知していたので、
刺さる寸前に、展開していた魔術で勢いを無くし、
即座に魔術で分析していた…のだけれど、
どうも痺れ薬が塗布されていたようだ。
痺れたフリをしないと、まあ…怪しまれるよね~ってことで軽く倒れてみた。
あ、魔術万能過ぎだろ!って言うのは無しだよ?
さて、今回乗っていた馬車は、前側に小さな小窓だけの
簡単なものだ。
(ちなみに、輸送部隊が別行動でついてきてるらしい。)
仕方がなく屋根の無い…事実上の外で馬を動かしてたのだけれど、その見た目から、
どうも良いエサとでも思われたようだ。
さて僕は、よく動く的に当てたね~と感心しつつ感知範囲を広げ、敵を冷静に見極めていた。
「おうおうおう!!
この馬車はもう動けねぇ!
おとなしく中の者共はでてこい!」
…ボスっぽい人が叫び散らすように言い、
数人がサーベルとやらに似た武器を構えながら、
こちらに向かってきていた。
んー…数は8人。
恐らくランクはEが7人とFが1人。
まあ、俗に言う雑魚敵なのだった。
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