第9章‐ジツリョクのサクソウ‐~動き出すタラントル編~

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…それは、唐突だった。 「あうっ…」 首筋に痛みが走った。 そして、僕はそのまま倒れた…フリをした。 あーつらい。 「えっ…アリス!? …!」 クロはそう呟くと、冷静に周りを見渡す 他の人は何が起きたかわかってないようだった。 …まあ敵存在は感知していたので、 刺さる寸前に、展開していた魔術で勢いを無くし、 即座に魔術で分析していた…のだけれど、 どうも痺れ薬が塗布されていたようだ。 痺れたフリをしないと、まあ…怪しまれるよね~ってことで軽く倒れてみた。 あ、魔術万能過ぎだろ!って言うのは無しだよ? さて、今回乗っていた馬車は、前側に小さな小窓だけの 簡単なものだ。 (ちなみに、輸送部隊が別行動でついてきてるらしい。) 仕方がなく屋根の無い…事実上の外で馬を動かしてたのだけれど、その見た目から、 どうも良いエサとでも思われたようだ。 さて僕は、よく動く的に当てたね~と感心しつつ感知範囲を広げ、敵を冷静に見極めていた。 「おうおうおう!! この馬車はもう動けねぇ! おとなしく中の者共はでてこい!」 …ボスっぽい人が叫び散らすように言い、 数人がサーベルとやらに似た武器を構えながら、 こちらに向かってきていた。 んー…数は8人。 恐らくランクはEが7人とFが1人。 まあ、俗に言う雑魚敵なのだった。
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