第9章‐ジツリョクのサクソウ‐~動き出すタラントル編~

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「ん。」 男の子の出した手には、 黄緑色の果物が握られていた。 …そういえば、捕まったあの時からなにも食べていなかった。 …さて、 この部屋は薄暗い。 まあ、魔術で形わかるから暗くても問題はない。 けれど、色はわからない。 近くに来た少年。 髪色は暗くてわかんなかったけど、 多分…保護された子供達なのだろう。 そう思ったのには理由があった。 …………… この世界には少し悲しい現実がある。 それは、能力の無さから発生してしまう、 その名も《ビターチャイルド》。 捨て子である。 この子達からは、魔力の欠片すら、感じなかったのだ。 …… この記憶は、また別の偉人による記憶だった。 けれどまだ他の人達の技術はあまり思いだせない。 何故かはわからない。 きっと何かしらプロテクトのようなものがかけられているのだろう。 …… 「…やるって言ってんの!」 その少年は、一生懸命頑張って言ってるように見えた。 こんな時に言える言葉はひとつだ。 「ありがと…。」 「…!! じゃあな!」 少年は、うっすらと見えた程度でわかるほど顔を真っ赤にして出ていったのだった。 いや、まさかね。 うん。
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