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「…まさか、あんなところに案内表示があるとはね~
ここって元々何かの施設だったのかしら?」
クロが面白くなさそうに呟きながら先陣をきってどんどん進んでいた。
僕たちはあれから、少しだけ薄暗い一本道を進んでいた。
さて、僕が指したもの。
それは、出口を指す大きな矢印だった。
ちなみにバードのことは移動する直前まで忘れたふりをしたのは秘密にしておいてほしい。
二人におもいっきり踏まれたことは忘れる程度に記憶が無くなっているそうだが、
まあ本人も気にしていないしほおっておくことにしよう。
「なぁ…実は俺がここに来るとこで気がついたんだ。
ここっておかしくないか?
外の気配が全く感じられねぇ。
それで中は子供ばかりでよ。
さっきお前たちを連れていったやつらの気配すらしねぇ。
それっておかしいと思わねぇか?」
バードが珍しく、真面目に話していることに少しだけ吹き出しそうになったのは秘密。
クロはその事を聞いて何かを思い付いたのか、
唐突に瞑想を始めてしまった。
どうやら気配を自然魔力を通じて感知しているようだった。
そしてしばらくすると、クロは不思議そうな顔をしていた。
…ちなみに僕にはそのクロの気持ちが良くわかっていた。
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