鬼

そのままサンルーフから手で自分を持ち上げ車の上に仁は出て行った。

フロントガラス越しでも敵がいるのが徐々に見えてきた。

｢和也！｣

上から仁の声が聞こえる。

｢ハンドルの横にボタンがあるだろう？
4と6のボタンを同時押しで長押ししてくれ！｣

ハンドルの横？

これか！

携帯電話のボタンのような配置で1～0まである。

4と6を長押しね。

俺は人差し指と中指を使いボタンを同時に押した。

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

ハンビーの左右両方から激しい音が聞こえ銃弾が遥か闇の彼方へ真っ直ぐ飛んでいく。