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まなみと近くの喫茶店のドトーラに入る。
「ちょっと待ってて」
俺に先に座っててと言い、まなみは従業員がいないために飲み物を用意してくれる。
昔からよく気がきいたな。
もう忘れていた思い出が少しずつ再生されていく。
消した恋火さえも……。
あの日、あの時、俺はどうして逃げ出したんだろう…………。
「仁、変わらないね」
まなみはカウンターの中でコーヒーを用意しながら俺に話しかける。
「え?」
変わらない?
俺、もう大勢の人を殺した殺人鬼だぞ?
「まあーを助けてくれた時は怖い顔をしてたけど、今はあの時と変わらず優しい顔をしてる」
自分の事をまあーと呼ぶまなみを可愛いと思ってた。
…………。
あっ!
すっかり忘れてた!
和也と真文と吾朗のこと!
まなみに話さなきゃ!
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