381人が本棚に入れています
本棚に追加
いつもいつも、美奈子は私の怒りに触るような行動をする。
広報担当に決まった時だって!!!
あの優越感たっぷりな微笑み。
私の怒りは爆発し、ナイフの柄を強く握りしめる。
人間は一瞬にしてこんなに手汗をかくものなのだろうか?
柄を握る手が震える。
ナイフを人に向けたことはない。
護身用にさっき用意しただけ。
抜け!抜け!抜け!
私は一瞬の迷いを断ち切りナイフを抜いた。
「キャアアアアアア――――――!」
ナイフを見た瞬間に美奈子が断末魔のような悲鳴を上げる。
死ね!
私はナイフで切りかかった!
ゴロン!
美奈子は転がるように私のナイフを避けた!
!!!!!
しまった!
美奈子が転がった先には緊急用ボタンが!
そのボタンは躊躇いもなく即座に押される。
《非常事態発生!非常事態発生!》
逃げなきゃ!!!
最初のコメントを投稿しよう!