決戦に向けて

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「お疲れ様です!」 部屋に入るなり隊士が声を揃えて挨拶をしてきた。 「土方副長!一番隊緊急会議ってなんですか!?」 隊士のひとりが待っていたかのように声をかけてきた。 「まあ待てよ」 一番隊の人数は合計28人。 全員、元の新撰組ではないが俺もこいつらのことを良く知っている。 総司のことを聞いたらどんだけ悲しむか……。 「土方副長! 沖田隊長と連絡がずっととれません!」 副隊長の阿修羅丸が俺に報告をするように話しかけてくる。 「今、話すから待て」 「沖田隊長に何かあったのですか!?」 予感していたのだろう。 えらく取り乱している。 みんな俺の返事を待って部屋が静まる。 俺は決意してゆっくり口を開いた。 「総司は黒の盗賊に捕らえられた」
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