363人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ
寝息をたて和也がぐっすり寝ている。
闇刀はベッドのすぐ目の前の机に置かれていた。
初めて闇刀に触ったのが確か、支給品が届いた時だ。
あの時はいくら抜こうとしても抜けなかったな。
俺は、他のみんなに聞かれないよう、寝室の扉をソッと閉めた。
一人で喋ってるとか思われたくないし……。
今更だがもし本当に刀が喋るとしたら……なんだか和也の気持ちがわかったかもしれない。
俺は鞘から柄まで真っ黒な闇刀を手に取った。
改めて持つと、あの頃わからなかった、この刀の凄さがわかる。
禍々しい黒い雰囲気を漂わし、邪悪な感じさえする。
よし!
思い切って喋ってみよう。
「闇刀さん。
はじめまして。
こんにちは」
とりあえず礼儀正しく。
いや、はじめましてはちょっとおかしかったかな。
『なんやねん!ボケ!キモイ喋り方すんなや!』
!!!!!
聞こえる!
最初のコメントを投稿しよう!