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キュルィィィイィイ!!!
突然、何かを擦(こす)るような音が響きわたる。
タイヤの音?
俺はハンビーの方を見た。
ハンビーがエンジン音を立て走り出す。
その前には真文が和也を抱えていた。
和也がハンビーから降りてる……。
何だ?
何をするんだ?
走り出したハンビーは凄まじい早さで敵に突っ込んでいく。
〔仁。逃ゲテ〕
外部に取り付けられたスピーカーからハンビーの声が聞こえた。
やめろ!
やめろ!
やめろ!
敵が大砲をハンビーに向け構える。
止められない、悔しさ。
喉が苦しくなり呼吸が止まる。鼻の奥が熱い。
音が何も聞こえない。
やめて…………。
大砲から鉄球が発射された。
〔ありがとう〕
飛び出した鉄球がハンビーに直撃し、黒いボディが吹き飛ばされゴロゴロ転がっていく。
ハンビー……。
また仲間が?
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