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「…………天草さんにあげますよ」
「そ、そうですか」
嬉しすぎて、嬉しすぎて、心の中で感情が暴れている。
今、天草四郎の身体の中にある全細胞がバンザイをして、拍手をして、ジャンプして喜んでいる。
「じゃあ、早速取り出しますね」
「すみません。僕、先に行きます。友人に会いに行くんです」
沖田さんは、少し悲しそうな表情をした。
ええ!?屯所は!?
いや……この際、スキルの種をいただけるんだし、局長達には内緒にしておきましょう。
「わかりました。行って下さい。後で屯所で落ち合いましょう」
「はい」
沖田さんは、ニッコリ微笑み、フライシューズのスイッチを入れた。
「じゃあ、行きますね」
そう言うと激しい音をたて入場ゲートへ消えてしまった。
さて。それじゃあ取り出しますか。
私は、無造作に横たわる2つの死体に目を向けた。
プレゼントを開ける時の、あの嬉しい気持ち。
何が入ってるか、ワクワクする気持ち。
血を使う必要はないですね。
私は、羽織りの内ポケットに入れておいたレーザーナイフを取り出した。
上に覆い被さるミラをどける。
まずは、セスだ。
私はセスの身体にレーザーナイフを刺した。
ぐしゃり。
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