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なるほど……。
私の中で想定外な事態が発生した。
確かに……。
黒いコートを着ているせいで骨格までは、はっきりとわからなかった。
「どうしたの?★
早く、僕を殺しなよ」
綺麗な顔。
透き通るような目。
その瞬間に邪悪さが消え失せたようにも感じる。
気持ちの問題とは、まさにこの事だ。
良くみると、はっきりわかる。
明らかに私には不適格な仕事だった。
木の根っこを元に戻し、私はセスを解放した。
同時に、【無能化】【沼】の能力も解除する。
「ハアハア★
なんだよ★
殺さないのかよ★」
ドサッ。
根っこから完全に解放されたセスは、体力をほとんど奪われたおかげで、地面にひれ伏した。
セスを見下ろし、私はゆっくり口を開いた。
「女性は殺しません」
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