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身体の奥底から不思議な力が湧いてくる。
「虹色の血を引く者の力よ。
あんまり長くは続かないわよ。
この力は」
俺は、ゆっくり立ち上がった。
改めて少女を見ると、本当に幼い。
しかし、なんだこの感じは?
「私、自身は強くないから。
力を与えることはできても自分にはないの。
仲間があなたが帰るのを待ってるわ。
あなたは力を使えば意識を失うでしょう。
でも目が覚めれば沢山の仲間に囲まれているはずだわ。
さあ。もう行きなさい」
「あなたは何者なんですか?」
「今はそれを知るときではないわ」
少女の姿が薄れていく。透き通るように。綺麗に消えていく。
「時を動かすわ。
さよなら」
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