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斎藤は、涙を流した。
今は、邪悪なオーラも消え、悪人が流すとは思えない程の綺麗な涙だ。
もう首の辺りまで砂の変化がきている。
不思議な事に、まだ消えていない顔だけは浮いていた。
「局長、ありがとうございました」
口が消え、鼻が消え、目が消え、とうとう最後まで砂になってしまった。
俺と斎藤は、最後まで目を逸らさなかった。
鳥取砂丘の砂と斎藤は、同化した。
!!!!!
同時に虹色の光が俺の身体から消える。
一気に体力を奪われたような感覚に陥り、俺の視界は真っ暗になった。
意識が失われた?
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