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「わかってるよ!
連絡してくんなって言っただろ!!!」
(ごめんなさい……。報告があるわ)
「何だよ?」
(恵美が裏切って脱走したわ)
「恵美が!?」
(そうよ。雪に連絡は取ってる?)
「雪は、死んだ。
東京タワーの展望台で俺が確認した」
(雪が!?)
「そうだよ。死んだんだよ。雪は」
(だって今現在、雪のバッチは……。
なるほどね。
恵美の考えが読めてきたわ)
「なんだよ!?教えろよ!」
(帰ってきたらね。
あのね、吾朗。
私ね、恵美を探しに外に出たのよ、それで吾朗に会いに行ったんだよ)
「いつ?」
(吾朗達がグランドホテルから出てきた時に透明になって車にうまく乗り込んだの。
わざわざ北のバッチまでつけて出かけたんだから。
セスに追っかけられた時はすごく楽しかった)
「バカじゃねえのか!?
まあ。今から帰るから。遅くなった言い訳を考えてくれ」
(了解)
「じゃあな」
俺は通話終了ボタンを押してホテルから出た。
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