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「城に着いたら、父上に会ってもらうけど、いいか?」
「う、うん」
皇子である風夜の父ということは、一国の王ということになる。
緊張しながらも頷くと、風夜はそれが可笑しかったのか、声を出して笑った。
「はは、……大丈夫だよ。そんなに緊張するほど、恐い人じゃない」
そんなことを話している内に、竜が降下し始める。
「よっと……」
城の前で地上に降りた竜から、風夜が飛び下りる。
乗る時と同じように差し出された風夜の手を借りて花音も下りると、風夜に気付いた兵士達が彼に頭を下げるのが見えた。
それに軽く手を上げて返し、風夜が花音を促す。
「謁見の間は此方だ」
風夜に頭を下げながらも花音を気にしているらしい兵士達に居心地悪く感じながらも、花音は歩き出した風夜の後を追った。
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