第2章 風の国

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第2章 風の国

1 城の中を風夜について歩いていくと、大きな扉とその脇に控える兵士の姿が見えてきた。 風夜に気付いた兵士達が頭を下げ、それに手を上げて返した風夜が振り返る。 「此処が謁見の間だ。説明は俺がするから、聞かれたことに答えてくれ」 「うん、わかった」 「じゃあ、入るぞ」 風夜が言って、重そうな扉を開く。 中に入ると、正面に王なのだろう男性が座り、その横に青年と一つ椅子を開けて少女が座っていた。 青年から鋭い視線を向けられ、居心地の悪さを感じながら、王達の近くへ行く。 風夜に視線で止まるよう伝えられ、花音が足を止めると、彼は王に近付き何かを伝える。 それが終わると本来彼がいるのだろう空いている椅子ではなく、花音の隣に戻ってきてくれた。 そこで花音を観察するように見ていた王が口を開く。 「花音といったか?君は、光の一族の話を聞いたことはあるか?」 「光の一族?いえ、ありません」 聞いたことがないと花音は首を横に振ると、王は難しい表情をして、花音のペンダントを指した。 「そうか。だが、光の一族に関係ない者が、そのペンダントを持っている筈がないのだ。そのペンダントからは、光の一族の力を感じるからな」 「えっ?」 王の言葉に花音はペンダントを見付けた時のことを思い出した。
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