第1章

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B「ハァハァ、もう、何なんだよ!?」 平凡な日常を送ってきた筈が、俺は今人外のモノに追われている。 B「俺が何したって言うんだよ!」 友人に誘われて、オカルト名所巡りに来たのだが、三件目の神社で、どう言うわけか、本物の魔物に出くわしてしまった。 友人は、既に捕まっている。 捕まる瞬間を、確かにこの眼で見た。 神社の所有林をやっとのことで抜け、周りを見渡すと、バスを待つ人のためだろうか、小さな小屋があった。 俺は藁にもすがる思いで、 その小屋に飛び入った。 ガタン 勢いよく引き戸を開けると、中で本を読んでいた少女が顔を上げた。 A「どうかなさったんですか?」 B「魔物に追いかけられていて…」 A「それはお気の毒に」 クスリと笑う少女の眼が怪しく紅色に光る。 やばいと思った時には遅かった。 A「油断大敵、ですよ」 俺の絶叫が辺りに虚しく響き渡った。
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