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「ほんとうにありがとうごさいました!」
「芳佳ちゃん気を付けないと危ないよ?」
芳佳「心配かけてごめんね。みっちゃん。」
茶髪の短い髪をした少女が宮藤芳佳。その芳佳を心配する少女が山川美千子である。
僕は芳佳ちゃんを助けた後、そこの学校の先生に感謝を受け、芳佳ちゃんからお礼がしたいからと今は芳佳ちゃんの家、「宮藤診療所」へ向かっていた。
芳佳「あの、先程は本当にありがとうございました。」
翼「気にしないで、あの場にはたまたま出くわしただけだから。この地理も詳しくないし…」
美千子「そういえば変わった格好ですよね?どこから来たんですか?」
翼「え!?」
まさかそんな質問が帰ってくるとは思いもよらず、僕は言葉が詰まる。
翼「えーと、ここより少し遠い所からかな?今日からここで暮らすことになったんだけど住む場所も聞かれてなくて…」
考えてみれば家とかぐらいあってもよかったのではなかろうかと考えてしまうがその発想はは芳佳ちゃんの案で消えてしまう。
芳佳「あっ!では私の家に来ませんか?男手が欲しかったのですが…」
翼「いいの?」
芳佳「はい!ぜひ!」
元気な声で返す芳佳ちゃん。すると後ろから「美千子~」と呼ぶ声と車らしきエンジン音が近づいてきた。
美千子「あっ!おじいちゃん!」
どうやら美千子ちゃんのおじいちゃんが畑仕事がてら迎えに来てくれたようだった。
車に乗り込んだ後…
美千子「それでね~」
芳佳「そうなんだ~」
と仲良く話す二人の会話を僕は微笑みながら見つめていた。そんな時だった。
「うおっ!」
美千子ちゃんのおじいちゃんが運転していた車の前から動物が出てきてとっさにハンドルを取られてしまう。
美千子・芳佳「キャーっ!」
翼「なっ!?クソっ!」
僕はゼウス様に教えてもらった通り鞄に入っていた葉っぱを頭に乗せる。
すると頭から狐の耳、お尻からは狐の尾が生えてきた。
そして固有魔法の一つ、心眼で辺りを見渡すと…
翼(あれは!…ヤバイな。)
その後の行動は迅速だった。落ちる先には先の尖った大木があり、このままでは美千子ちゃんがその大木に刺さってしまう。そこで僕は美千子ちゃんの腕を引っ張り、彼女を安全な落ち場所へ送り、今度は僕が動けばよかったのだが現実は上手くいかず完全には避けきれず僕の腕が尖った大木に突き刺さった。
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