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飛ばすこと20分……。
ある場所へ辿り着く。
なんとかうまく飛べたな。
やっと足に馴染んできたフライシューズが少し嬉しい。
着いた先は…………
グランドホテル。
実はここのホテルの中庭に仁がおじさんのお墓を建ててくれていた。
手術後、寝ている時の話だが、仁はグランドホテルの瓦礫に埋もれたおじさんの死体を探し出して、作ってくれたらしい。
俺だけずっと墓参りに来ていなかった。
それは吾朗のことを受け入れきれない自分、おじさんの死を受け入れきれない自分から、また逃げていたに違いない。
優君の予想だと10日後には二回戦が終わるらしい。
仁が……。
いや俺達の新たな門出が今日だからこそ。
どうしても来たかった。
土の上に建てたられた木の枝で作られた十字架。
俺はゆっくりとその前に座った。
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