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和也―――――――――――――
新撰組に入隊してから、ちょうど10日間、経過。
俺は、六番隊の副隊長の座をもらった。
とは言ったものの六番隊は、実質、メンバーは4人しかいない小さなグループ。
他の隊の構成よりは、勿論、圧倒的に劣り、ほとんどないものに等しい存在にすら感じる。
特に何か仕事をしてるわけでもなく、平穏とは遠い日常だが、久しぶりの休息をとった。
まだ羽織を着ている感覚すら現実味が湧かない。
この10日間でやったことと言えば、新撰組について少し話を聞いたぐらいで、その他はほとんど寝ているだけの生活になってしまった。
新撰組屯所に泊まることになったのは、入隊してからで、それまではいつもと同じように近隣のホテルに宿泊していた。
ホテルだと、もしかすると敵が襲ってくるかもしれないと不安になり、あまりに寝つきがよくなかった。
だからこそ、屯所だと、襲ってきても大丈夫だという安心感があり、良く眠ることができたんだ。
《ビ――、ビ――》
警報が新撰組屯所内、全体に響きわたる。
現在、午後6時。
夏の暑さは、終わる気配がなく、外は蝉の鳴き声で満たされている。
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