372人が本棚に入れています
本棚に追加
当然、外は夜の世界。
窓越しに景色を見れば、闇に包まれた木が幾重にも重なり、うっすらと影だけが無数に浮かび上がる。
木が横にしなる程、強い風が吹いていた。
ハンビーの中は、完全に防音だから、実際には聞こえないが風の音がここまで届きそうだ。
さすが山だな……。
頂上で高らかにそびえる木が、低い位置のここからでも確認できる。
ガイドブックに、白神山地は世界遺産に認定されたブナの木が有名と記されていた。
観光には持ってこいの場所でハイキングでもしたいところだが、今はそんな状況じゃない。
仁が再び口を開き、後ろにいるメンバーに質問する。
「お前たちはどうする?
待ってるなら俺と和也で全員の虹玉か虹石、持ってくるけど」
最初のコメントを投稿しよう!