白神山地

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寒くて膝が震える。 真文を見ると、腕を組みながら全身が震えていた。 絵菜さんと友希さんは、身体を寄せ合って互いを暖めている。 仁とまなみは、寒さを全く気にせずに平然と立っていた。 我慢しているのか? 俺は感心しながら真文と同じように腕を組んだ。 「準備はいいな?」 仁が全員を見渡して呟く。 震えながらみんな黙って頷く。 それを確認すると仁は続けた。 「勿論、山地だから山は一つじゃない。 沢山頂上がある。 おそらく虹玉と虹石は、どこかの山頂に行けば、転がっていると思う。 ルートは俺が調べてきたからそれに沿って行こう」 そう言うと仁は、前を向き歩き始めた。
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