白神山地-2

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「わかってる……」 優君、約束通り生きて帰るから。 一人で生きていくために、優君と約束してミサンガをあえて外したんだ。 仁が隊長を目指すきっかけとなったのは、土方さんが黒の盗賊との戦いを終えて、帰還してからすぐ。 隊長を目指すからには最低でも自分を守れるような男にならなくてはならない。 他人から心配されないような男になれと土方さんに言われてミサンガを二人で切ったそうだ。 それを見習い俺も優君とミサンガを切った。 もう必要ないから。 あれから少しだけ俺も成長したけど、今、初めて緊張しながらの戦闘に行くよ。 「じゃあ行くね」 まなみが歩きだし、真文と絵菜さん、友希さんがそれについていく。 四人は、木に隠れ、闇に飲まれていった。 「じゃあ行くか」 俺は仁に声をかけ、フライシューズのスイッチを入れようとした。 「待て。こっちのが速い」 仁は、羽織の袖を捲り上げて、時空を切り裂く爪を見せた。
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